ブランドやマーケティングに必要なのは『ストーリーづくり』?
1.「注目のシーンは、ここだ!」
「アパートやマンションという不動産
は、入居者にとっては日々の生活を
営む空間でもあるから、
単に『斬新な間取り』や『部屋や建物の
デザインが良い』だけじゃダメなんだ」
「『日当たりの良さ』や『暮らしやすさ』
なんて当たり前のように思えるけど、
日常の空間を作るからこそ、大切な所
なんだよ」
新しいWEBサイトの紹介事例として
オーナー様とともに新築物件を企画した
お仕事についてインタビューした際、
原田社長の言葉を聞いて、私の頭の中に
パッと思い浮かんだシーンがありました。
依頼主であるオーナー様と原田社長が
新築物件の図面や企画書を見返しながら
何度も知恵を絞ったという、打ち合わせ
の場面です。
思い描く理想のイメージがある一方、
建築予定地が他の建物の影響で
日陰になりやすい場所でした。
『使いやすく、絶対に暗くない部屋を作る!』
その理想のもとに話し合った建築プランが
やっと具体的な企画として見え始めた途端、
今度は事業収支のシミュレーション
で建築費や諸経費が合わず、
再びプランを見直す状況に戻ってしまう。
たとえ入居者に人気のお部屋を作れても、
収支が合わなければ、今度はオーナー様
にとって健全な事業とはいえません。
理想と現実のギャップに頭を悩ませ続けた
オーナー様と原田社長の額には、
時に汗も浮かんでいたのではないか?
そんなシーンが思い浮かぶとともに
原田社長のひと言ひと言からも
『入居者目線での重要なポイントは
絶対に妥協したくない!』
という信念が伝わってきました。
「これが実際に描いたデザインだけど
本当に分譲マンションみたいでしょ!」
別のお仕事の事例では、原田社長と
ともに担当された今井部長が
当時、実際に使われたさまざまな資料
や画像を見せながら、楽しそうに説明
される様子がとても印象に残りました。
『本当にこの価格で売却した方が
良いのだろうか?相談させてほしい』
きっかけは街中にあった高層の
賃貸マンションを購入された
オーナー様からのご相談だった
そうです。
大きな費用を掛けて購入したにも
関わらず、入居者の募集に苦戦し、
中には3年以上も空室のお部屋が
ある状況でした。
これからの経営に悩んでいた時、
ある会社から「そちらのマンション
を売却しませんか?」という話を
持ちかけかれたと言います。
提示された査定価格は、
正直このオーナー様にとっては
メリットが低そうな金額でした。
だが、一方で今のまま高層マンション
を所有し続ければ、
期待ほどの家賃収入は入らない一方で
建物の維持・管理や修繕費といった
コストは発生し続けてしまい、
このままでは収益面からも経営上、
メリットよりデメリットが増える
リスクも抱えてしまう。
ご相談を受けた原田社長や今井部長
はすぐにそのマンションの調査へと
向かい、
『提示された査定価格が低くなったと
思われる理由(建物自体の状況)』
を具体的に把握した後、
オーナー様へこう提案されたそうです。
「まずはマンションに大規模な修繕を
行ない、満室にしてから売却した方が
もっと高く売れそうですよ」
とはいえ、高層マンションゆえに
外壁の修繕一つ取っても、多くの
難題がありました。
しかし、原田社長や今井部長が描いた
プランもまた、単に破損や老朽化した
所を直すというプランではなかった
のです。
お部屋の間取りも2LDKで
街へのアクセスも抜群という、
建物自体が持つ魅力を引き出す
ために
マンションの玄関にあった広いスペース
に「入居者用の広いトランクルーム」
を設け、
「オートロックによるセキュリティ強化」
「宅配ボックスの設置」で入居者の利便性
をさらにアップ。
また、玄関の壁紙やエレベーターの扉も
新しく貼り換え、賃貸マンションの玄関
を分譲マンションのエントランス風に
一新するなど、
修繕と言うよりリノベーションという言葉
が当てはまるほど、大胆なアイデアが
盛り込まれていました。
『オーナーさんも驚くだろうな』
『お部屋の見学に来た入居者さんも
きっと喜んでくれるだろう』
本来なら難題が山積みだったはずの
お仕事を楽しそうに語り続ける
今井部長の笑顔。
その笑顔から、手掛けられたこの
高層マンションのお仕事で
企画を練るシーンに感じたであろう
ワクワク感が、私にも伝わってきた
ように思いました。
2. お客様を動かすのは
「つくられたストーリー」ではない
昔、スポーツライターの修行を
していた頃、
「スポーツ選手のインタビューや記事
には一つの『型(かた)』がある」
と教えられました。
・始めた「きっかけ」は何か?
・もっとも「挫折」した経験は?
・今の自分につながる「転機」とは?
シンプルだが、この3つの質問は、
どんな競技のどの選手にも
ほぼ必ず行われている。
なぜなら、その回答にインタビュー
した相手の個性や判断基準、価値観が
必ず反映されており、
根拠となる「事実」も浮かび上がって
くる、
それが日本のスポーツ記事では
読んだ読者に「面白い!」と思わせる
ためのセオリーになっている、と。
今あらためて振り返ってみると
スポーツに限らない話かも
しれません。
企業や組織であれ、
個人で手掛けるお店や仕事であれ、
ビジネスや事業もまた、人それぞれの
個性や判断基準、価値観が必ずどこか
に反映されているからです。
一方で、最近、ビジネス書や経済ニュース
の記事を見ると、専門家のこんな解説を
見かけることが多くなりました。
『ブランドづくりには顧客の信頼を得る
ストーリーが必要だ』
『これからのマーケティングには
嘘いつわりの無いストーリーづくり
が必要だ』
間違ってはいるとは思いませんが、
目にするたび、私はちょっと違和感を
感じてしまいます。
確かにブランディングやマーケティングに
おいて、顧客から信頼され、共感して
もらうための「伝え方」として
ストーリー性は大切だと思います。
ただし、この場合のストーリー性は
「つくるもの」というより、実際には
「すでに在るもの(存在するもの)」
であるケースが多いからです。
見方を変えてみると
顧客の価値観や信頼感に響かせる
場合であれ、
顧客に共感を生み、クチコミや購入
などに動いてもらうための
マーケティングとして働きかける
場合であれ、
現実に顧客の判断を動かすほどの
影響力を与えるストーリーには
「事実」にもとづくリアリティが不可欠。
ゆえに、「つくる」というより
「事実を見つける」と考えた方が、
具体的なエピソードとともに
浮かび上がってくるはずです。
先に紹介したオーナーズビジョン様の
「実績」として紹介した2つのエピソード
にもまた、ストーリー性を紡(つむ)ぎ出す
「事実」がありました。
そして、この2つのエピソードは
どんな結末になったのか?
そちらはぜひ、オーナーズビジョン様の
HPにあるコンテンツをお読みください。
自社企画|千歳市新富「ブリエクオーレ千歳」
https://ownersvision.com/case-09.html
物件売買|札幌市 S様
https://ownersvision.com/case-04.html
今回は、このほかに6つのエピソードを
インタビューし、「実績」ページのコンテンツ
として書かせていただきました。
『賃貸物件のオーナーさんを
安心と実績でずっと支える』
HPに書かれたコンテンツの詳細をお読み
いただければ、
このオーナーズビジョン様が掲げている
企業としての理念を実感できる「事実」が
すでに存在し、信頼や共感を生むストーリー
を紡ぎ続けている。
そのことをきっと感じていただけるかと
思います。